皮膚病

甲状腺機能低下症

項目 内容
症状 中齢から老齢犬で様々な症状を示す。左右対称性の脱毛、鼻梁の脱毛、顔面皮膚の肥厚と下垂、脂漏症(油性、乾性)、外耳炎、倦怠感、肥満、徐脈、挫傷、低温不耐症、神経筋障害、繁殖障害、高コレステロール血症、非再生性貧血など、痒みは二次感染に伴い現れる
原因 リンパ球性甲状腺炎または特発性甲状腺萎縮に起因する原発性甲状腺機能不全
好発犬種 チャウチャウ、グレート・デン、ボクサー、イングリッシュ・ブルドッグ、ダックスフント、アフガン・ハウンド、ニューハウンドランド、マラミュート、ドーベルマン・ピンシェル、プードル、ゴールデン・レトリバー、ミニチュア・シュナウザーなど
診断 平衡透析法による血清総チロキシン(TT4)測定、遊離チロキシン(FT4)の測定、および甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定、抗サイログロブリン抗体。甲状腺バイオプシーは推奨されていない。
治療 レボチロキシン投与および甲状腺ホルモン濃度測定によるモニタリング。但しジェネリック薬品は不適。続発性膿皮症、脂漏症、マラセチア感染症、毛包虫症の治療。サルファ剤投薬の中止。
予後 生涯にわたる投薬により予後は良好だが、甲状腺機能低下症誘発性の神経筋異常は完全に消失しないこともある。仔犬のクレチン病では発育不全による骨格および関節異常を引き起こす。